半年以上準備して、20冊本を読んで、会計も理解して、現場にも足を運んだ。それでも最初の物件を買うときの判断は、意外とシンプルだった。
「納得してから」じゃなくてよかった
不動産投資の本にはよく「納得できる物件が見つかるまで待て」と書いてある。でも私は少し違う考え方をした。
最初の物件は、言われるがまま買った。担当者を信頼して、細かい部分まで自分で検証し切れていない状態で決断した。
ただ一つだけ意識したのは、「仮にダメでもすぐ売れるものにする」ということだ。
具体的には、ある程度築年数が経過した物件を選んだ。価格がすでに下がりきっているので、そこから大きく値崩れしにくい。万が一うまくいかなくても、売却で回収できる可能性が高い。最初からそう考えていた。
ただ——正直に言うと、当時は修繕費のことをまったく考えていなかった。築古物件は値崩れしにくい反面、修繕コストがかさむリスクがある。これは買ってから痛感したことだ。出口戦略は考えていたが、保有コストの読みが甘かった。
買ってから勉強すればいい
買ってから初めてわかることが山ほどある。管理会社との付き合い方、入居者対応、確定申告の煩雑さ——これらは本を読んでもわからない。実際に持ってみて初めてわかることだ。
最近、投資家の集まりに参加するようになった。そこに非常に勉強熱心な若い投資家がいる。知識量は本当に豊富で、話していてこちらが学ぶことも多い。
ただその方は、物件を見るたびに「ここが悪い」「この条件では買えない」と見送り続けている。何が正解かは正直わからないが、買わないとわからないことが確実にある。空室が出たときの焦り、修繕費が想定を超えたときの判断——これらは実際に物件を持って初めて体感できることだ。知識と実務の間には、越えてみないとわからない壁がある。
完璧な準備をしてから買おうとすると、永遠に買えない。ある程度のリスクをコントロールした上で、あとは買ってから学ぶ。その方が結果的に早く成長できると感じている。
それでも最初の物件を買うときは不安だった
これだけ準備しても、最初の物件を買う瞬間は、正直まだ不安だった。「本当に入居者が来るのか」「ローンを払い続けられるのか」——頭ではわかっていても、感情がついてこない部分はあった。
今思えば、ある程度の不安は正常だと思う。準備をしっかりやった上での不安は「慎重さ」の証だ。不安がゼロで大きな買い物ができるなら、それはむしろ考えが足りていないサインかもしれない。
まとめ——最初の一歩を踏み出すための考え方
最初の物件選びで大事にしたのはたった一つ。「ダメでもすぐ売れるものにする」という出口の確保だ。
完璧な物件を探し続けるより、撤退できる物件を買って経験を積む。この考え方が、5年間不動産投資を続けられた原点だったと思っている。