2026年3月31日、KDDIが子会社の大規模な不正会計問題に関する特別調査委員会の報告書を公表した。自分はKDDI株を保有しており、今回の件を受けて買い増しもしている。その判断の背景を正直に書いておく。
何が起きたのか——事件の概要
不正が発覚したのはKDDIの連結子会社であるビッグローブと、その子会社ジー・プランの広告代理事業だ。
実態のない架空の広告案件を外部代理店に発注し、各社が手数料を差し引きながら資金を循環させるという手法で売上が水増しされていた。この架空循環取引は遅くとも2018年から約7年間にわたり継続していた。
特に衝撃的だったのが、広告代理事業の売上の99.7%が架空取引だったという認定だ。この循環取引により外部に流出した金額は累計329億円に上る。
KDDIの対応と処分
特別調査委員会の報告書を受け、KDDIは以下の対応を発表した。不正に関与した従業員2名を懲戒解雇、ビッグローブとジー・プランの社長が引責辞任、KDDIの会長と社長は月例報酬の3割を3ヶ月返納した。また広告代理事業からは撤退し、損害賠償請求訴訟の提起と刑事告訴も検討している。
財務への影響も大きく、2023年3月期から2025年3月期の過年度決算を修正。売上高は累計2461億円、営業利益は累計1508億円それぞれ下振れする。
なぜ7年間見過ごされたのか
特別調査委員会は不正の主因として子会社の管理体制の甘さを指摘した。広告事業がKDDIのコア事業ではなかったため監督する知見が不足していたこと、内部統制が実効性を伴っていなかったことが挙げられている。専門家からは「内部統制が絵に描いた餅だった」という指摘もあった。というか企業が大き過ぎて見つけるのは非常に難しかったんだろうなと推察する。
ただし調査の結果、KDDIやその他の連結子会社を巻き込んだ組織的な事案ではないと判断されている。
それでも買い増している理由
自分はこのニュースを受けても、KDDIの株を売らず買い増しした。その理由を正直に書く。
まず本業への影響が限定的だという点だ。修正後の業績ベースでも、売上高は前年同期比3.8%増、営業利益は1.1%増と増収増益だ。通信というインフラビジネスの安定性は変わっていない。
次に24期連続増配という実績だ。今回の問題が本業の収益力に直接影響するわけではなく、増配の方針が変わるとは考えていない。
そして株価の下落だ。不正発覚のニュースで株価は下がった。長期保有前提で高配当を狙うなら、こういう局面は仕込みのチャンスだと判断した。
リスクも正直に書いておく
もちろんリスクもある。追加の損失が発覚する可能性、ガバナンスへの信頼失墜による機関投資家の売り、刑事告訴に発展した場合の影響——これらは否定できない。
ただ自分の投資スタンスは長期保有・高配当狙いだ。短期の株価変動より、5〜10年後も増配を続けているかどうかが判断基準だ。その観点では、今のKDDIはまだ信頼できると考えている。ちなみに今日も買い増ししました。
※この記事は投資判断の参考情報であり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資は自己判断・自己責任でお願いします。
