M&A買収ファイナンスを銀行に申し込む前に整理しておくべきこと

法人のM&Aメイン担当として、はじめて買収ファイナンスに取り組むことになった。実際に銀行に申し込む前に、自分なりに情報を整理しておきたいと思い、この記事を書いた。同じような立場の人の参考になれば嬉しい。

買収ファイナンスとは何か

M&Aを実行するには多額の資金が必要だ。その資金を銀行などの金融機関から調達することを「買収ファイナンス」という。自己資金だけで賄えない場合に活用するもので、M&Aの現場では非常に一般的な手法だ。

ローンの種類を理解しておく

買収ファイナンスには主に4つの種類がある。それぞれ特徴が異なるので、案件の規模や状況に応じて使い分ける必要がある。

シニアローンは最も一般的な手法だ。銀行が提供することが多く、返済が最優先される分、金利は低め。買収資金の大部分をこれで賄うのが基本形だ。担保が必要なケースが多く、買収対象企業の株式を担保にすることが一般的だ。

メザニンローンはシニアローンで資金が足りない場合に上乗せで使う劣後ローンだ。返済順位がシニアローンより低い分、金利は高めに設定されている。審査はシニアローンより緩いため、資金調達しやすいというメリットがある。

LBOファイナンスは買収対象企業が将来生み出すキャッシュフローや保有資産を担保にして資金調達する手法だ。買い手企業の財務力だけに依存しないため、大規模な買収でも実行しやすいのが特徴だ。

ブリッジローンは本格的な融資が始まるまでのつなぎとして使う短期ローンだ。期間は主に3ヶ月程度で、金利は2〜4%程度と他より高め。あくまで一時的な資金繰りの手段だ。

銀行に申し込む前に準備すべきもの

銀行への初回相談前に最低限以下を揃えておく必要がある。自社の決算書3期分、買収対象企業の概要(業種・売上・利益)、買収金額の概算と自己資金の額、買収後の事業計画の骨子、そしてDDレポートまたはIMだ。

初回は「融資申請」ではなく「相談」のスタンスで臨む方がスムーズだと聞いている。銀行担当者との関係構築から始めるイメージだ。

銀行審査で最も重視されること

銀行が一番見るのは「買収後に返済できるか」だ。つまり買収対象企業の収益力と、買収後のキャッシュフローが審査の核心になる。対象企業の利益がそのまま返済原資になるため、対象企業の収益が低いと融資額も限られる。

事業計画書の作り込みが最重要で、買収後の売上・利益予測、シナジー効果、返済シミュレーションを具体的な数字で示すことが求められる。

注意点をまとめておく

自己資金は買収金額の20〜30%程度が目安とされている。フルローンはほぼ通らない。また銀行審査には時間がかかり、早くて1ヶ月、長いと3ヶ月以上かかることもある。M&Aのスケジュールと逆算して早めに動くことが鉄則だ。

スキーム(株式譲渡・事業譲渡・合併)によっても融資の組み方が変わるため、銀行担当者にスキームを早めに共有しておくことも重要だ。

さらに守秘義務契約を銀行と締結してから詳細を共有するのが基本の流れだ。M&Aは情報漏洩が致命的になるため、この手順は必ず守る必要がある。

これから実践してみる

以上が事前に調べた内容だ。実際に銀行と交渉を進めていく中で気づいたことや学んだことは、また記事にしていきたいと思っている。うまくいくかどうかわからないが、リアルな記録として残していく。

Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です