空室が出たときにやること——AD(広告料)の判断と入居者選びの実際

管理会社から「退去の連絡」が入るたびに、少し憂鬱になる。

5棟8室を持っていると、年に数回は必ずこの連絡が来る。退去そのものは仕方ない。問題はその後——空室をどう埋めるか、だ。

空室が出たときの流れ

① 管理会社から退去の連絡が来る

退去予告は通常1〜2ヶ月前に来る。この時点で「次の入居者をどう集めるか」を考え始める。

② 募集要件の確認——ここでADをどうするか決める

管理会社から「募集条件を確認したい」という連絡が来る。家賃・敷金・礼金の設定とともに、必ず聞かれるのが「ADを何ヶ月出しますか?」という質問だ。

AD(広告料)とは、入居者を決めてくれた仲介会社に払う報酬のことだ。家賃1ヶ月分が基本だが、オーナーが上乗せして2ヶ月・3ヶ月と積むことができる。積めば積むほど仲介会社のやる気が上がる——少なくとも理屈の上ではそういうことになっている。

③ 原状回復の見積もりを確認する

退去後、管理会社から原状回復の見積もりが来る。クロスの張り替え、クリーニング、設備の修繕など。この金額が、退去者によって全然違う。

大切に使ってくれていた方の部屋は、退去後もびっくりするくらいきれいだ。逆に、荒れた状態で退去される場合もある。原状回復費が数十万円に膨らむこともある。

正直なところ、入居者の属性と部屋の使い方には相関があると感じている。自分の所有物件の傾向で言うと、価格帯が高めの物件ほど入居者が丁寧に使ってくれることが多かった。安い物件が悪いというわけではないが、家賃と入居者の質には一定の関係があるように思う。

見積もり金額が高いと感じたときは、自分で修繕業者を探して相見積もりを取ることもある。管理会社の言い値で全部やっていると、修繕費がどんどん膨らむ。

④ 入居希望の連絡が来たら属性を確認する

申し込みが入ったら、管理会社から入居予定者の属性(職業・年収・家族構成など)の報告が来る。ここは正直、感覚で判断している部分もある。「ちょっとこれは…」と感じたときは、もう一度募集に戻すこともある。空室が続くのは痛いが、問題のある入居者を入れてしまうともっと痛い。

⑤ 問題なければ入居していただく

属性に問題がなければ、契約手続きに進む。この流れ自体はシンプルだ。

ADの話——本当のところ

空室対策で一番悩むのが、このADをどう設定するかだ。

以前、AD3ヶ月で出したことがある。結果は「一瞬で決まった」。本当にあっという間だった。仲介会社のやる気が全然違うのだな、とそのとき実感した。

ただ冷静に考えると、AD3ヶ月というのは家賃3ヶ月分をそのまま仲介会社に払うということだ。その3ヶ月間、自分の収入はゼロどころかマイナスだ。「早く決まってよかった」とは言えるが、コスト的には相当痛い。

管理会社の言葉をどこまで信じるか

「AD0だと仲介会社がやる気を出しませんよ」と管理会社はよく言う。それは半分本当だと思う。でも半分は、管理会社側の都合もあるのではないかと感じている。

実際のところ、決まるときは一瞬で決まる。ADが0でも1でも関係なく、物件の条件が合えばすぐ入居者は現れる。逆に決まらないときは、AD3ヶ月積んでも半年近く空いたこともある。ADが全てではないのだ。

今の自分の戦略——AD2ヶ月、でもやりすぎかもしれない

現在はAD2ヶ月をベースにしている。でも最近、これはやりすぎかもしれないと感じ始めている。1ヶ月でも十分ではないか、と。

AD2ヶ月と1ヶ月の差は、家賃1ヶ月分だ。年に1〜2回の退去があるとすれば、年間で家賃数ヶ月分のコスト差になる。積み重なると無視できない金額だ。

次の空室が出たときは、AD1ヶ月で試してみようと思っている。その結果もまたこのブログで報告する。

まとめ——ADは「投資」だが、費用対効果を考える

ADを積めば早く決まる可能性は上がる。でもそれはコストだ。家賃収入の数ヶ月分を前払いしているに過ぎない。

管理会社の言葉を鵜呑みにせず、自分なりの基準を持つこと。そして結果を記録して、次の判断に活かしていくこと。空室対策も、不動産投資の一部だ。

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