不動産を始める前、私は株式投資で資産を作った。
スタイルはシンプルだった
誰もが知っている有名企業の株を買い、上がるのを待つ。デイトレードや信用取引はやらない。ニュースに振り回されず、長期で保有する。
これだけだ。
複雑な分析も、難しい指標も使わなかった。「この会社はこれからも存在し続けるだろう」と思える企業の株を、下がったタイミングで少しずつ買い増していくスタイルだ。
勝てるようになるまでに失敗したこと
株を始めた時期ははっきり覚えていないが、少なくとも28歳の頃にはもうやっていた。当時はお金がなかったので、小さい取引ばかりだった。
最初からうまくいったわけではない。始めた頃は短期の値動きに反応して売買を繰り返し、手数料と税金で利益が削られていった。「上がりそう」という感覚だけで買って、下がったら狼狽売りする——典型的な失敗パターンを一通りやった。
転機になったのは「自分が理解できないものには投資しない」というルールを決めたことだ。事業内容がよくわからない会社、複雑な金融商品、話題になっているだけで実態が見えないもの——これらには手を出さないと決めた。
長期保有に切り替えてから変わった
毎日値動きを見るのをやめた。週に一度、保有銘柄の状況を確認する程度にした。すると不思議なことに、精神的に落ち着いてきた。落ち着いて判断できるようになると、余計な売買が減り、結果的にパフォーマンスが上がった。
株式投資で学んだ最大の教訓は「自分が理解できないものに投資しない」ということだ。シンプルな戦略でも、続けることで結果は出る。
株の利益は、年によって全然違う
実際の数字も出しておく。株の売買で確定した利益(売買益)と、受け取った配当の推移だ。
| 年 | 売買益 | 配当 |
|---|---|---|
| 2020年 | 約277万円 | 約47.6万円 |
| 2021年 | 約57万円 | 約34万円 |
| 2022年 | 0円 | 約1.2万円 |
| 2023年 | 約146万円 | 約12.9万円 |
| 2024年 | 約10万円 | 約29.3万円 |
| 2025年 | 約28.8万円 | 約40.2万円 |
一番大きかったのは2020年の約277万円。何をどう売ったか細かくは覚えていないが、たぶんKDDIを回していた年だ。この利益が、翌2021年に最初の区分マンションを自己資金で買う元手になった(その話は不動産投資を始めた理由と5年後の正直な感想に書いている)。
一方で、2022年は売買益0円。2024年も約10万円しかない。株の利益は、年によって本当にばらつく。毎月決まった額が入ってくる給与や家賃とは、まったく性格が違う。
今は「長期」と「短期」で分けている
ここまで「長期保有」と書いてきたが、今は長期と短期を分けている。
長く持つ分は、NISAの口座に入れて売らずに配当を受け取る。NISAで何を持っているかはNISA枠240万円、どう使ったか全部公開で出している。
短期の分は、普通の口座(特定口座)で、持っている株の一部をこまめに利確している。2026年は1〜9月で、こんな感じだ。
| 銘柄 | 売った回数 | 売買益 |
|---|---|---|
| KDDI | 20回 | 336,122円 |
| 神戸製鋼所 | 11回 | 235,143円 |
| オービック | 4回 | 64,600円 |
損失を出して売った取引は0件。どれも誰もが知っている会社だ。有名な会社の株は大きく勝つことはないが、そのぶん失敗するリスクも低い、というのが自分の認識だ。KDDIを持ち続けている理由はKDDIの不正会計問題——それでも株を買い増している理由に書いた。
株で作った資産を不動産に移した理由
ある程度の成果が出た時期、増えた資産がまた相場に飲み込まれていく感覚が怖くなってきた。株は毎日値動きがある。せっかく増やした資産が、また減るリスクと常に隣り合わせだ。
「この資産を、もっと安定した形に変えられないか」——それが不動産投資を始めるきっかけになった。
株と不動産、どちらが優れているかではない。自分の状況とタイミングで使い分けることが大事だと思っている。株で資産を作り、不動産でそれを別の形に変える。この流れが、自分には合っていた。
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