大家の自分に届いた原状回復の請求は、431,475円でした。家賃72,000円の、ほぼ6か月分です。
「こんなもんか…じゃなかったわ。。。めちゃめちゃ高い!!」
原状回復(退去した部屋を元の状態に戻すための工事)が出たのは、「神奈川県西部・テラスハウス(一棟4室)」の1室。この記事では、その請求書の明細を数量と単価つきで全部出します。最初の見積書との違いも並べました。
家賃は管理会社がまとめて受け取り、管理料などを引いて毎月自分に送金してくれます。支払いは家賃の送金から差し引く形で、8月はテラスハウス分の送金が0円になりました。ここでは請求書の中身だけに絞ります。
原状回復の請求書、明細を単価つきで全部出します
先に大きかった項目を3つだけ書くと、クロス5か所で117,250円、設備3つとその下の施工費・既存処分費で94,000円、LDKのCF(クッションフロア。シート状の床材)54,000円です。
明細を単価つきで載せれば、同じように見積書を受け取った大家さんの事例として役立つかもしれない。そう思って、請求書の明細を、そのまま表にしました。数量の「1式」は、まとめていくら、という意味です。
| 項目 | 数量 | 単価(税抜) | 負担割合 | 金額(税抜) |
|---|---|---|---|---|
| 洋室右側クロス張替え(壁・天井) | 32㎡ | 1,250円 | 10% | 4,000円 |
| 洋室中央クロス張替え(壁・天井) | 27㎡ | 1,250円 | 10% | 3,375円 |
| 洋室左側クロス張替え(壁・天井) | 49㎡ | 1,250円 | 10% | 6,125円 |
| LDKクロス張替え(壁・天井) | 50.5㎡ | 1,250円 | 100% | 63,125円 |
| 洗面所・トイレクロス張替え(壁・天井) | 32.5㎡ | 1,250円 | 100% | 40,625円 |
| LDK CF(クッションフロア)貼り | 13.5㎡ | 4,000円 | 100% | 54,000円 |
| トイレ扉ダイノックシート貼り(両面) | 4m | 12,000円 | 100% | 48,000円 |
| トイレ温水洗浄便座 | 1台 | 20,000円 | 100% | 20,000円 |
| 浴室換気扇 | 1台 | 15,000円 | 100% | 15,000円 |
| キッチンシングルレバー水栓 | 1台 | 14,000円 | 100% | 14,000円 |
| 上記施工費・既存処分費 | 1式 | 45,000円 | 100% | 45,000円 |
| 1F照明交換(12畳用LEDシーリングライト) | 1台 | 10,000円 | 100% | 10,000円 |
| キッチン手元灯交換(20W) | 1式 | 15,000円 | 100% | 15,000円 |
| 浴室鏡交換 | 1式 | 12,000円 | 100% | 12,000円 |
| 風呂蓋交換 | 1式 | 8,000円 | 100% | 8,000円 |
| キッチン排水かご・蓋 | 1式 | 3,000円 | 100% | 3,000円 |
| 現場諸経費 | 1式 | 38,000円 | 50% | 19,000円 |
| 鍵交換費用(勝手口) | 1式 | 12,000円 | 100% | 12,000円 |
| 小計 | 392,250円 | |||
| 消費税10% | 39,225円 | |||
| 合計 | 431,475円 |
「負担割合」は、請求書にある欄の数字をそのまま載せています。どの費用を誰がどれだけ持つかは、法律と賃貸借契約がベースで、国交省のガイドラインは目安です。
金額は「数量×単価」に、この負担割合の欄の%をかけたもの(税抜)です。たとえば1行目の洋室右側クロスなら、32㎡×1,250円×10%=4,000円。
18行を足すと小計392,250円、消費税39,225円を足して合計431,475円。この1枚が、大家の自分への請求のすべてです。
いちばん大きかったのはクロス。同じ1㎡1,250円でも、13,500円と103,750円
原状回復のクロス(壁や天井に貼る壁紙)の張替えが、項目のまとまりで見るといちばん大きな出費でした。5か所あわせて117,250円です。
単価は5か所とも同じ1㎡1,250円。違うのは、請求書の負担割合の欄です。
| まとまり | 負担割合の欄 | 金額 |
|---|---|---|
| 洋室3部屋(右側・中央・左側) | 10% | 13,500円 |
| LDK・洗面所・トイレ | 100% | 103,750円 |
| クロス5か所の合計 | 117,250円 |
同じ単価でも、負担割合の欄の数字ひとつで、ここまで金額が変わります。
この物件は部屋数が多いから、クロスがどうしても…ね
設備交換は本体49,000円に、施工費・処分費45,000円
次に大きいのが設備の交換です。
- トイレ温水洗浄便座:20,000円
- 浴室換気扇:15,000円
- キッチンシングルレバー水栓:14,000円
本体の3つで49,000円。請求書では、この3つの下に「上記施工費・既存処分費」45,000円が1行で載っていました。3つと合わせると94,000円です。見積書を見るときは、本体の行だけでなく、その下にある施工費・処分費の行まで見ておくと、全体の金額がつかみやすいと思います。
設備以外の大きめの項目は、このあたりです。
- LDKのCF貼り:13.5㎡×4,000円で54,000円
- トイレ扉のダイノックシート貼り(扉の表面に貼る化粧シート、両面):4m×12,000円で48,000円
- 鍵交換(勝手口):12,000円
細かいものも、1行ずつ積み上がっています。1Fの照明交換10,000円、キッチン手元灯の交換15,000円、浴室の鏡交換12,000円、風呂蓋の交換8,000円、キッチンの排水かご・蓋3,000円。
最後に現場諸経費。単価38,000円で、負担割合の欄が50%なので19,000円です。
原状回復の最初の見積書は約88.6万円。請求書と違った項目
ここまでが最後に届いた請求書の話です。実はその前に、見積書が届いていました。見積の合計は886,160円(税込。小計805,600円+消費税80,560円)です。
先に仕組みを書いておくと、管理会社からの最初の見積は、全部やった場合の「フル」の金額で来ます。そこから不要なものを相談して取り除き、さらに入居者負担を差し引いた残りが、大家の自分への請求書になりました。式にすると「見積書 − 入居者負担 − 相談して外した工事 = 請求書」です。
どの項目をどれだけ外したかを1つずつは言えませんが、見積書と請求書を並べると、見積にはあって請求書にはない項目は次のとおりでした。
| 請求書になかった見積項目 | 見積の金額 |
|---|---|
| ルームクリーニング(3LDK+メゾネット) | 80,000円 |
| エアコン分解洗浄(2台) | 20,000円 |
| 浴室・キッチン強洗浄 | 18,000円 |
| 階段・廊下・玄関クロス(52.2㎡) | 65,250円 |
| 高所作業費 | 15,000円 |
| 洋室右側LEDシーリングライト取付 | 6,500円 |
| 洋室2部屋の照明紐交換 | 1,000円 |
| 階段照明電球交換 | 600円 |
数量が変わった項目もあります。
| 項目 | 見積書 | 請求書 |
|---|---|---|
| 洋室右側クロス | 41.5㎡ | 32㎡ |
| 洋室中央クロス | 36.5㎡ | 27㎡ |
| 洋室左側クロス | 58.5㎡ | 49㎡ |
| LDKクロス | 64㎡ | 50.5㎡ |
| CF | LDK・洗面所 17㎡ | LDK 13.5㎡ |
見積書の備考には、「老朽化による水漏れなどは別途費用」「床・壁の内部の状況によっては追加費用の可能性あり」とも書かれていました。最初の見積がそのまま最後の請求になるわけではなく、ここから相談して中身を詰めていく、ということです。今回は項目も数量も変わりました。
原状回復の入居者負担286,000円と、大家への請求431,475円
見積は約88.6万円。そのうち入居者負担が286,000円、大家への請求が431,475円で、合わせると70万円を超えます。見積との残りの差は、相談して外した工事の分です。
入居者負担の286,000円は、保証会社(入居者が家賃などを払えないときに代わりに払う会社)からの上限額216,000円と、クリーニング費用を合わせた額です。
保証会社の役割については、以前保証会社の重要性——夜逃げされて学んだこと、強制退去で助かったことに書きました。
明細を見て、自分が思ったこと
今回の流れを、時系列で並べておきます。
- 3月:退去の連絡(【月次レポート】2026年3月——退去・工事、バタバタした月)
- 5月:残置物(前の入居者が置いていった荷物)の片付けで延びて、ここで正式に解約
- 6月:見積書(886,160円)
- 7月:工事完了、請求書(431,475円)
- 8月:家賃の送金から差し引き開始。テラスハウス分の送金は0円で、残りは9月の家賃から差し引かれる予定と8月の報告書にありました(【月次レポート】2026年8月——原状回復43万円、テラスハウスの送金ゼロ)
そして、請求書の明細を見たときの正直な気持ちがこれです。
こんなもんか…じゃなかったわ。。。めちゃめちゃ高い!! 不動産投資の怖さをまた感じたよね
以前持っていたアパートでも、原状回復費には悩まされました(土地値で買ったアパートを3年で売った——シロアリ・湿気・原状回復費、維持コストが自分のキャパを超えた話)。
原状回復の明細でよく見る言葉
これから見積書を受け取る人のために、今回の明細に出てきた言葉を簡単にまとめておきます。請求書に説明が書いてあったわけではないので、ここに書くのはあくまで一般的な意味です。
- クロス:壁や天井に貼る壁紙。明細では「壁・天井」をまとめて㎡(平方メートル)で数えることが多く、今回の請求書もこの形でした。
- CF(クッションフロア):塩化ビニール製のシート状の床材。水に強いので、キッチンや洗面所、トイレでよく使われます。今回はLDKの13.5㎡。
- ダイノックシート:扉や家具の表面に貼る化粧シートの商品名。扉ごと取り替えずに、表面だけ新しくするときに使われます。今回はトイレ扉の両面で、数量はm(メートル)で書かれていました。
- 施工費・既存処分費:新しい設備を取り付ける工事の費用と、外した古い設備を処分する費用。今回は便座・換気扇・水栓の下に1行でまとめて載っていました。
- 1式:数量を細かく分けずに、まとめていくらで載せる書き方。明細には中身の内訳までは出てきません。
- 現場諸経費:一般的には、工事全体にかかる細かい費用をまとめた項目です。今回の請求書には、中身の説明はありませんでした。
- 鍵交換:退去のあと、前の入居者が持っていた鍵で開かないように、鍵を新しくする工事。今回は勝手口の分が載っていました。
- 相殺:請求額をまとめて振り込むのではなく、毎月の家賃の送金から差し引いていくやり方。今回は8月の送金から差し引きが始まりました。
この中で中身がいちばん見えにくいのは、「1式」と「諸経費」の行だと思います。金額の大きい項目に目が行きがちですが、こういう行も1行ずつ積み上がって、最後の合計になっています。見積書の段階で中身を聞いておくのも、ひとつの手だと思います。
原状回復の見積書は「数量・単価・負担割合の欄」の3列で読む
もし今、手元に原状回復の見積書があるなら、見てほしいのは次の3列です。
- 数量:何㎡、何台、何式か。見積と請求で変わることがある
- 単価:1㎡あたり、1台あたりいくらか
- 負担割合の欄:同じ単価でも、ここで金額が大きく変わる
それと、最初の見積はフルで来るので、不要なものがないかを相談してみること。今回の請求書も、そうやって絞った結果です。
借りている側の人も、退去時の明細はこの3列で読めます。
どこまでを大家が負担するかは、民法と賃貸借契約がベースで、国交省のガイドラインはその目安です。この記事の数字は、あくまで自分の物件の1件分の実例です。高い・安いを判定するものではなく、自分の書類と並べて読むための物差しの1本として使ってもらえたらと思います。
退去1回で家賃のほぼ6か月分が出ていく一方で、柱全体ではどうなっているのか。収益の柱ごとの数字は収益の柱ページにまとめています。
「原状回復43万円は家賃のほぼ6か月分。明細を単価つきで全部公開」への2件のフィードバック