年収600万円で頭打ちだと思っていた。930万円ベースになった今も、上を目指さない理由

「給与は年収600万円くらいで頭打ちだろう」。自分はずっとそう考えていました。それが2026年8月、昇格で年収930万円ベース(額面。税金や社会保険料を引く前の金額)になりました。月額でいうと、約70.8万円から約77.5万円です。

なのに、8月の収入合計は127.4万円。7月の131.3万円より少なかったんです。

主な差は株でした。7月は株(配当込み)が約12.4万円あったのに、8月は約2.1万円。7月は、6月末に売った分が受渡日(売ったお金と株が実際に受け渡される日)の関係で7月に入っていて、その分も膨らんでいました。副業も約6.6万円から約6.2万円に少し減っています。給与が増えた約6.7万円より、株の減り方のほうが大きかった、ということです。

それとは別に、手元に振り込まれたお金で見ると、もっと減っています。家賃は管理会社がまとめて受け取り、管理料などを引いて毎月自分に送金(振り込み)してくれるのですが、8月はテラスハウスの原状回復費(退去した部屋を元の状態に戻す工事の費用)431,475円を、この送金から差し引く形になりました。8月に引かれたのは187,036円で、テラスハウス分の送金は0円。残りの244,439円は9月に持ち越しです。結果、8月に振り込まれた家賃は201,090円で、7月の388,126円から大きく減りました。明細は原状回復43万円は家賃のほぼ6か月分。明細を単価つきで全部公開に全部出しています。

この記事は昇格の自慢ではありません。給与が上がったタイミングで、それでも「給与はこのあたりで頭打ちでいい」「上は目指さない」と考えている理由を、数字と一緒に書いておく話です。

2026年は転職と昇格が重なり、年収930万円ベースに

まず数字から。2026年は転職した年でもあります。転職したときは、年収850万円ベースの予定でした。そのあと8月に給与改定があって、さらに上がりました。主な理由は昇格です。

  • 2026年7月まで:月約70.8万円(額面・年収850万円ベース)
  • 2026年8月から:月約77.5万円(額面・年収930万円ベース)

年の途中で変わったので、2026年の給与は「7か月×70.8万円+5か月×77.5万円」で、見込み883万円になります。来年(2027年)の給与930万円は決まっています。

昇格して何が変わったのか。自分の言葉で書くと、こうです。

より経営に近い立場になった。ただ、部門長的な役割もあるので、視座をどこに設定するのかが難しい。経験としては良いけど、自分なりのやり方を早く見つけないとストレスで潰されそう。

視座というのは、どの高さから物事を見るか、という意味です。会社全体を見る目線と、自分が預かる範囲を見る目線。どちらに軸足を置くかで、同じ数字の見え方も、判断も変わってきます。経験としては良い。でも、まだ自分なりのやり方は見つかっていません。給与の数字だけでは見えない、昇格のもう半分はこっちです。

年俸制・ボーナスなしだと、月額×12がそのまま年収になる

自分の会社は年俸制です。年俸制は、1年間の給与額を先に決めて、それを分けて毎月払う形のこと。ボーナスが別に出る会社もありますが、自分の会社はボーナスなしです。

だから計算がシンプルで、月77.5万円×12か月=930万円。「年収930万円ベース」というのは、この掛け算のことです。2026年は8月に金額が変わったので、1年分を足すと930万円ではなく883万円の見込みになります。この記事で「930万円ベース」と「883万円」の2つが出てくるのは、そういう理由です。

ここで、年収を人と比べるときの注意をひとつ。月給制でボーナスがある会社だと、月給だけを見ると年俸制の人より低く見えることがあります。でも、年に何回かのボーナスを足すと、年額では逆転していることもある。年収を比べるときは、月額ではなく「ボーナスも含めた1年間の合計」で比べるのが基本です。

逆に年俸制は、毎月の額がほぼ一定なので、家計の見通しは立てやすい。月次レポートで給与の行が毎月同じ数字なのは、このためです。

年収と家賃・株の7年分。前の年を下回っていないのは給与だけ

給与・家賃・株式(売買)の年額を、2020年から並べてみました。単位は万円です。家賃は管理会社の報告書にある収入の合計で、経費やローン返済を引く前の金額です。

年給与家賃株式(売買)
20204500277
202145237857
2022581(転職)9190
20236071,166146
2024668(転職)80010
202576861228.8
2026883(見込・転職)547(見込)60.0(1〜8月の実績)

2020年以降、給与・家賃・株の3つで比べると、前の年を一度も下回っていないのは給与だけでした。

家賃は2023年の1,166万円がピークで、2026年は547万円の見込み。ピークの半分以下です。減った一番の理由は、アパートを売ったことでした。

アパートを売った。このアパートがめちゃめちゃやばくて、人が出ていくたびに家賃1年超の修繕費がかかっていたので、CFを考えて早期で手放した。

CFはキャッシュフロー、つまり手元に残るお金の流れのことです。売ったいきさつは土地値で買ったアパートを3年で売った——シロアリ・湿気・原状回復費、維持コストが自分のキャパを超えた話に、家賃収入の年ごとの中身は6年間の不動産収入、全部見せますに書いています。

株式(売買)はもっと振れます。年で見ると0円の年もあれば277万円の年もある。月で見ても、2026年は配当込みで2月が0円、5月が19.4万円、8月が2.1万円と、0〜約19万円の幅で動いています。

不動産は今、5棟8室(5つの建物に、部屋が全部で8つ)で、築古(建ってから年数がたった物件)が中心です。築古は買う値段を抑えられる一方で、修繕が読めません。2026年だけでも、玄関ドアの開錠、配管交換、原状回復と特別な出費が続いて、合計654,445円になりました。

給与のほうは、転職を重ねながら少しずつ上がってきました。ただ、転職の理由はいつも年収ではなく「環境」で、周りに恵まれたというのが本音です。そのあたりは不動産投資しながら3回転職した——年収より環境を選んだら、気づいたら年収も上がっていたに書きました。

年収の頭打ちは「600万円くらい」だと思っていた

給与について、自分がもともと想定していた天井は、もっと低いところでした。

元々、収益の柱は複数という考え方なので、だいたい600くらいかなと考えていた。大きすぎると依存してしまうので。また自分の経歴考えても頭打ちはそれくらいだろうという考え

600というのは年収600万円のこと。しかも「でも600でも強気だと思うけどね」というくらいの感覚でした。

年収600万円を初めて超えたのは2023年の607万円です。そこから3年で、930万円ベースまで来ました。想定していた頭打ちのラインは、もう越えてしまったことになります。振り返っても、「当時はそんなに頑張ってるつもりなくて、運が良かったのかな」というのが正直なところです。

それでも「もっと上へ」という気持ちにはなっていません。新卒の頃から「柱はひとつにしたくない」と思ってきました。給与だけが大きくなると、そこに依存してしまう。600くらいでいいと考えていたのは、自分の経歴の見立てもありますが、この「依存しすぎたくない」という考えが根っこにあります。「そこまで高みはもとめてないので」というのも本音です。

8月の月次レポートでは、こう書きました。

責任とのバランスを考えると、このあたりで頭打ちかな。。という気もしています

給与が上がるのは、責任が増えることとセットです。そのバランスを考えると、自分にとってはこのあたりがちょうどいい天井なのかな、と思っています。

それでも会社員を続ける理由は「一番安定している柱」だから

じゃあ、上を目指さないなら会社員を辞めるのか。それは考えていません。

2026年の見込みは、全部の柱を合わせて約1,602万円。うち給与が883万円で、半分ちょっとです。会社員を続ける理由を聞かれたら、自分の答えはこれです。

収益の柱を失うから。一番安定している収益の柱だから。不動産は自分の戦略が築古だから修繕にお金がかかり安定しない。株式投資はそこまで金額が大きくないから。

上の7年分の表を見ても、給与・家賃・株の3つのうち、毎年きちんと入ってきて前の年を下回っていないのは給与だけでした。家賃は売却や修繕で大きく動くし、株は年によって0円のこともある。給与は、ほかの柱が揺れたときに家計を支えてくれる土台になっています。

もうひとつ、不動産をやっている人には大事な話があります。銀行の融資審査では、一般的に年収や勤続年数が見られます。転職直後は勤続年数がリセットされるので、融資が通りにくくなることもあります。転職と不動産投資を並行してきた自分にとっては、避けて通れない話でした。

一般論として付け加えると、審査では今年の年収だけでなく、数年分の源泉徴収票や確定申告書を出すように言われることが多いです。今持っている物件の収支や、ほかの借入の状況も一緒に見られます。なので、年収が上がったからといって、すぐに借りやすくなるとは限りません。それでも、会社員の給与は、それ自体の収入だけでなく、次の物件を買うときの信用にもつながっている、ということです。

「給与に依存しすぎない」と「給与を手放さない」は、矛盾しないと思っています。大きくしすぎず、でも折れないように持っておく。株と不動産を比べた話は株と不動産、正直どっちが自分に合っていたかにも書いています。

年収が上がったら知っておきたい、所得税の累進課税

年収が上がると気になるのが税金です。ここは一般的な仕組みの話として書きます(自分の税額や手取りの話ではありません)。

先に結論を書くと、税率が上がるのは、上の段階に入った部分だけです。年収が上がったら全部に高い税率がかかって損をする、ということはありません。

所得税は累進課税(所得が多いほど税率が上がる仕組み)です。国税庁のタックスアンサー(No.2260)によると、税率は課税所得に応じて段階的に上がります。

課税所得税率
195万円以下5%
195万円超〜330万円以下10%
330万円超〜695万円以下20%
695万円超〜900万円以下23%
900万円超〜1,800万円以下33%
(この上にも段階があります)

仮の例で考えてみます(自分の数字ではありません)。課税所得が700万円の人なら、23%がかかるのは695万円を超えた5万円分だけ。その下の部分には、それぞれ5%・10%・20%の段階の税率がかかります。700万円全部に23%がかかるわけではありません。

もうひとつ大事なのは、税率がかかるのは額面の年収ではなく、控除を引いた後の課税所得だということです。年収930万円だから930万円に33%、という話ではありません。

会社員なら、給与収入からまず「給与所得控除」が引かれます。これは会社員の経費のようなもので、国税庁(No.1410)によると、給与収入が850万円を超えると上限の195万円になります。そこからさらに社会保険料や扶養などの控除を引いたものが課税所得です。

大家をしている会社員の場合は、もうひとつ。給与所得と不動産所得(家賃収入から経費を引いたもの)は、一般的には合わせて計算して、そこから課税所得を出します。不動産所得が赤字なら給与所得と差し引きできる場合もあって、これを損益通算といいます。仕組みは損益通算って何?サラリーマン大家が税金を取り戻す仕組みにまとめています。

数字の見方を知っておくだけで、年収アップへの身構え方は少し変わると思います。

まとめ——給与は太くなくていい、折れなければいい

年収600万円くらいで頭打ちだと思っていたのに、昇格で930万円ベースになりました。それでも、給与をこれ以上大きくしたいとは、あまり思っていません。

給与は太くなくていい、折れなければいい。

7年分の数字を並べてみて、給与・家賃・株の中で、給与だけが前の年を下回っていないことが改めて見えました。だからこそ手放さない。でも、そこに依存しすぎない。家賃や株や副業が揺れても、給与が家計を支える。給与にもしものことがあっても、ほかの柱がある。その形を保つのが、自分にとっての「ちょうどいい」です。

給与が上がった8月に合計がかえって減ったように、柱が複数あると、月ごとの合計は揺れます。毎月の柱ごとの数字は月次レポートで公開していて、8月の分は【月次レポート】2026年8月——原状回復43万円、テラスハウスの送金ゼロにあります。

昇格したばかりで、自分なりのやり方はまだ探している途中です。安定と、その先の不安の話は40歳で生活の不安がなくなったら、別の不安がやってきたにも書きました。

種を蒔き、柱を育てる。給与の柱は、もう太さより、折れないことを大事にしていきます。

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